タイはASEAN諸国の中でも輸出額が第一位の国で、農業国でありながら上位を占めるのは自動車、機械、コンピューター等の工業製品などで世界の組立工場の生産拠点として役割を果たして発展してきました。日本を含む世界の国々はタイに自社の生産工場を求めて進出してたくさんの駐在員が暮らし、バンコクはロスアンジェルスに次いで日本人の人口が世界で二番目の都市となりました。では、駐在員とはどのような仕事や暮らしをしているのでしょうか。
駐在員の仕事とは?
日本からは、機械や電気、自動車などの製造業が海外の生産拠点を求めてタイに進出して来ました。さらにロジスティックや建設会社も製造された製品の保管や運搬、工場建設などでタイに進出し、金融関連や商社、小売業などの製造関連以外の企業も進出しています。ではそれらの企業に勤務する駐在員はどのような仕事をしているのでしょうか。
1.製造関連
製造業に従事する駐在員は、従業員の管理や生産管理など日本のシステムをそのまま持ち込んでいますので、日本での業務と殆ど変わりはありません。現地の工場スタッフと業務上のコミュニケーションが必要な場合にも会話が英語です。
2.金融・商社関連
営業や渉外関連の業務担当者はクライアントがタイの企業の場合もありますが、殆どが日本や海外の企業です。企業の事業展開の支援や外国為替取引、輸出業務など日本の企業や外国の企業との取引が中心になります。
3.小売・飲食業関連
これらの業種は製造や金融関連などとは違い、タイに市場を求めて進出してきましたので事情は異なります。働くタイ人スタッフの人数も多く、顧客もタイ人がメインになるためより深くタイ社会に入って行く必要もあり、コミュニケーションをとるためにもタイ語の習得は必須です。
駐在員の日常生活は?
日本から駐在員として派遣されてきましたので、平日は会社の業務に携わりますが、企業
内外では日本人同士で接する機会が多く、現地のタイ人や外国企業の人たちとコミュニケ
ーションをとる機会はあまりありません。企業の規模が大きいほど日本人従業員の人数も
多くなりますのでその傾向も強くなります。また、日本と同様に仕事帰りに同じ会社の人た
ちと食事をする時にも、日本人同士の場合が多くタイ人や外国人との接点はあまりありま
せん。小規模の会社や小売業・飲食関連などの業種は、より深くタイ社会へ入って行く必
要があり、周りのスタッフたちもタイ人ばかりですので、自然にタイ人とコミュニケーショ
ンをとっています。
駐在員のタイ語力は?
どの程度タイ語ができるかは業種や職種にもよりますが、大手企業の駐在員はあまりタイ
語能力がないのではないでしょうか。その理由は、日本の企業に採用されるタイ人は英語で
のコミュニケーションが必須のため業務上必要な事は全て英語で済ませて、タイ語を使う
機会は無く大きな企業に勤務する日本人ほどその傾向は強いです。また、プライベートで
も日本語や英語で日常生活が完結できるエリアに住み、買い物や病院に通院する場合もタ
イ語を必要としませんし、駐在員からすれば一時的にタイに勤務しているだけで、他の国へ
の異動や日本に帰国した場合にはタイ語は必要がなくなりますので習得は難しいです。
バンコク駐在員のプライベートは?
休日などの時間の過ごし方はそれぞれですが、家族帯同者は買い物や食事、単身者は趣味を
楽しむ人などさまざまですが、主に日本人同士でコミュニティを作っています。
欧米人の場合は国など関係なく気の合う人たちと友人関係を築きますが、日本人の場合は
日本人同士が殆どで、外国人や現地のタイ人との友人関係などはあまり見ることがありま
せん。これは、言葉の問題が大きく影響しているのではないでしょうか。
このように、バンコクの駐在員は仕事やプライベートにおいて、同じ企業の仲間や、日本人
同士の中での仕事や生活を完結する傾向があります。